夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

初心者の私に手加減ってものはなく、理玖は、結局、鬼畜だった。

寝る時間も惜しく、疲れ切った私を腕に抱きしめ、裸のまま夜明けまで脚を絡め、指を絡めて遊び、別れがくる時間まで起きて過ごした。

そして、最後は一緒にシャワー浴びて戯れ、深くなるキスを合図に、壁に手をつかせた私を抱きしめながら、「ありさ、好きだ」「俺を覚えてろ」と、強く、激しく打ちつけ、うなじに暴力的な痛みを刻んだ。

瞬間、私は、叫声をあげ恍惚感に浸り、理玖は果てた後、刻んだ痕におまじないをするようにキスを落としていた。

島で最後の食事の後、オーナー夫婦と別れを惜しんだ。理玖は、港まで荷物持ちを買って出て、少しでも恋人でいる時間を伸ばそうとしているようだ。

港まで会話もないが、繋ぐ手に引かれ歩くのは、最後だと思うと涙が滲む。

港では、既に船が到着していて、諸島で足止めされた何人かの観光客が降りている。

いまだ繋ぐ手に、どう、別れを切り出していいかと悩んでると、理玖が持っていた紙袋を渡された。

「亜梨沙用だ」

中身は、理玖が作ったマグカップだった。

「ペアで作った、この世で一つしかない俺たちのお揃いだ。大事に使えよ」

嬉しくて、溢れ出す涙を拭う私の頭を抱き、優しく撫でる理玖の手が、更に涙を誘う。
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