夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

こうして改めて久世を継ぐ為に、恋愛云々で、旦那様を選ばなければいけないと痛感する。

脳裏に浮かぶ、理玖との短い恋。

あんな恋は、2度とできなくても、旦那様になる人物は、愛情を向けられる尊敬できる人を選びたいと思う。

「さて、1人1人紹介していこう」

広い会場内を探し回って挨拶するのかと、げんなりしかけた時、祖父のお付きが1人男性を伴ってやってきた。

「官房長官のご子息、勅使川原(てしがわら)将暉様でございます」

お付きが、祖父に男性を紹介し、そっと去っていった。

「勅使川原でございます。この度は、ご招待くださりありがとうございます。久世のお嬢様におかれましては、お披露目おめでとうございます」

「ありがとうございます」

冒頭の当たり障りない挨拶から始まった。

「やっと、久世にも跡継ぎができたわい。だがの、可愛い孫娘に久世の名を一人で背負わせるのは忍びないと思っとる。よい伴侶がいてくれれば、安心してあの世に行けるのだがな…。勅使川原くんは、確か警察庁にいたか?」

「はい。微力ながら、お役に立てるよう精進しております」

「うむ。良い心がけじゃ…こやつは、まだまだ不勉強での。いつか、機会があれば、心がけのなんたるかを指導してやってくれ」
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