夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

「まぁ、素敵な夢をお持ちですね」

「ありがとうございます」

「亜梨沙さんは、将来、久世家を背負われる為に勉強中と先程のご挨拶でお聞きしました。私と将来について語る機会を作って頂けませんか?」

うわー、積極的な人だけど、苦手だと思った。

「東海林くん、君は、まだ一経営者でしかない。今日は、挨拶のみじゃ」

「…失礼しました」

祖父の高圧な物言いは、身の程を弁えろと叱咤したのだ。

前から下がって行った途端に、

「あやつは欲丸出して好かん。誰じゃ、あんな奴を選んだのは?」

「お爺さまでは?」

「わしではない。あやつは無しじゃ。いいな」

「そうですね。私も無しです」

いつの間にか控えていたお付きが、祖父との会話が終わるのを待ってたかのように次の男性を紹介した。

篠原 理央様は、日本有数の財団、篠原大病院のご子息。ご挨拶時に、ご婚約が決まったと婚約者と共に挨拶されたので、婚約者候補から外れた。

祖父の思惑が外れだし、少し不機嫌になりつつある。

「次」

「千堂製薬常務 碓氷 千秋さまです」

あと2人かと…気が緩んでいた。

「千堂家、ご子息 千堂 理玖さまです」

んっ?
同姓同名とは、世の中狭いな…なんて呑気に待てば、背の高い男性が2人やってきた。
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