夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました

前の3人も、背が高く見た目だけならいい男性だったが、この2人は、格が違う。

歩いてくるだけで、老若男女関係なしに、目をひく美形。歩く姿も美しい。

オートクチュールのスーツを颯爽と着こなし、ランウェイを歩く男性モデルが2人いるかのようだ。

いや、そんなことより…

「おぉ、久しいの。千秋。爺さんは、元気にしておるか?」

先程の4人とは違い、顔見知りらしい彼らに、祖父、自ら話しかけた。

「お久しぶりです。会長は、最近、ゴルフ三昧ですよ。元気な証拠です」

「そうか、竹刀をクラブに持ち変えたか」

ワハハと笑う祖父の横で、私は笑いかけた表情を引っ込めるしかなかった。

なぜなら、目の前で期間限定だった恋人、千堂 理玖が、私を見てくれないからだ。

「そうそう、千秋、孫娘の亜梨沙じゃ。どうじゃ、可愛かろう。お前は千堂の外戚じゃし、婿にならんか?」

「お爺さま」

知り合いだからか、率直すぎる祖父に声をあげた。千秋さまも苦笑いしている。

祖父の態度から、この方が先程、話しに出ていた祖父の一押しの方なのだと思った。

親戚筋でありながら、この若さで、常務という役職に就いているということは、浅愚ではないだろうし、物事の先を読む力があるのだろう。それに加えて上に立つ才能もあるらしい。
< 64 / 168 >

この作品をシェア

pagetop