夏の終わり〜かりそめの恋人が、再会したら全力で迫ってきました
前の3人も、背が高く見た目だけならいい男性だったが、この2人は、格が違う。
歩いてくるだけで、老若男女関係なしに、目をひく美形。歩く姿も美しい。
オートクチュールのスーツを颯爽と着こなし、ランウェイを歩く男性モデルが2人いるかのようだ。
いや、そんなことより…
「おぉ、久しいの。千秋。爺さんは、元気にしておるか?」
先程の4人とは違い、顔見知りらしい彼らに、祖父、自ら話しかけた。
「お久しぶりです。会長は、最近、ゴルフ三昧ですよ。元気な証拠です」
「そうか、竹刀をクラブに持ち変えたか」
ワハハと笑う祖父の横で、私は笑いかけた表情を引っ込めるしかなかった。
なぜなら、目の前で期間限定だった恋人、千堂 理玖が、私を見てくれないからだ。
「そうそう、千秋、孫娘の亜梨沙じゃ。どうじゃ、可愛かろう。お前は千堂の外戚じゃし、婿にならんか?」
「お爺さま」
知り合いだからか、率直すぎる祖父に声をあげた。千秋さまも苦笑いしている。
祖父の態度から、この方が先程、話しに出ていた祖父の一押しの方なのだと思った。
親戚筋でありながら、この若さで、常務という役職に就いているということは、浅愚ではないだろうし、物事の先を読む力があるのだろう。それに加えて上に立つ才能もあるらしい。