期間限定マリアージュ~四年越しの旦那様はエリート社長、誓いのキスが子作りの合図~
私は思わずスマートフォンで『セボン』公式の料理サイトにアクセスしてしまった。
「出来たぞ…麻莉」
「へっ?あ・・・」

「・・・後片付けはしてくれよ…」

カウンターのスツールに座る私の目の前に彼が作った出来立てのペペロンチーノが置かれた。

ご丁寧に割り箸とグラスの水も添えられていた。ちょっとした洋食屋さんに来たような感覚。

「いただきます…」

私は合掌して、彼の作ったペペロンチーノを食べる。



ペペロチーノの辛みとニンニクの香ばしさが口内で絶妙なハーモニーを奏でる。

「美味しい…」

彼の方が料理の腕は上かもしれない。

「・・・待ってろ…生ハムを出してやるから…あ…ピクルスもあったな…」

彼は冷蔵庫から生ハムとパプリカのピクルスを出して来た。

「頂きます…生ハムも美味しい…ピクルスの漬かり位も程よい感じですね…」
彼自身はクズだけど、料理の腕はプロ級だ。
私が彼の胃袋を掴む前の私の胃袋が彼によって掴まれてしまった。

私…このまま彼にカラダも差し出してしまいそう・・・


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