セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「颯真さんの想い? それって私は覚悟を決めた方が良いってことなの?」
いい意味とも悪い意味ともとれる颯真の言葉に、花那は胸の前でギュッと手を握る。いつかは離れる覚悟をしていた、その言葉も何度も頭の中で思い浮かべたというのに。
今こうして現実となると、どうしようもなく胸が痛くなるのを感じてしまう。
「覚悟は決めて欲しいかな、俺も君に伝える覚悟をやっと決めたから」
「……分かったわ」
そう言われれば嫌とは言えない、花那はコクンと唾を飲み込み颯真の言葉を黙って待つ。それでもこんな時に浮かぶのは少し口角を上げただけの颯真の笑顔で。
ああ……離れたくない、もっと彼の傍にいたい。そう花那の心が叫んでいるようだった。
「あ、の……颯真さん、私……!」
いま自分の気持ちを伝えなければ後悔するかもしれない、そう思った花那が颯真の言葉を止めようとするが間に合わない。彼は花那の手を握るとそっと自分の口元に持っていき、愛おしそうに口付けた。
「好きなんだ、花那が。どうしてもこの気持ちを抑えきれないくらい、君を愛してしまってる」
「そうま、さん?」
――いま颯真さんはなんて言ったの? 私の事を好きって、愛してるってまさかそんなはずは……