セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
「ほら、早く着けて見せてくれないか? そのネックレスはきっと花那に良く似合う」
「本当に、いいの……?」
颯真は花那が戸惑っていることに気付いていながらも、迷っている彼女の背中を押す。
きっと両親思いの花那がネックレスを着けても彼女の母親は怒ったりはしないはず、そう思った颯真は花那の後ろに立ち手を差し出した。
「俺が着けてあげるよ。これで共犯だから、怒られるときは一緒だ」
「颯真さんは怒られなくていいのに……でも、ありがとう」
それが颯真の優しさだと花那はもう分っている。きっと余計なお世話だと言っても彼は花那と共犯になると言ってきかないだろう。
こんな素敵な夫を両親が怒るはずがない、そう思った花那はそっとネックレスのチェーンを颯真に手渡した。
颯真がそれを受け取り花那の首にネックレスを着けようとした、その時……プツンという音がしてネックレスのチェーンが切れた。
コトンと床に落ちるアメジストのチャーム、慌てて颯真はしゃがみ込んでそれを拾った。
「ご、ごめん! すぐに直すから……」
申し訳なさそうに花那にそう言うと、颯真はテーブルの上で千切れたチェーンをどうにかしようと必死になる。そんな颯真に花那も傍により手を伸ばした。
「颯真さん、私も手伝うわ」