セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
小さなチェーンに苦戦している颯真に寄り添って、花那もネックレスに触れる。二人でああでもない、こうでもないと試したが素人では直せないと判断しジュエリーショップへと向かうことにした。
花那は母がよく行っていたジュエリーショップを颯真に伝え、二人は車に乗り込む。形見のネックレスを箱に入れ、花那は大事そうに持っていた。
「本当に悪かった、きっと俺が力加減が出来ていなかったんだ」
「そんな事無いわ、もう古いものだしきっと交換の時期だったのよ」
花那は颯真がアクセサリーをそんな乱暴に扱うような男ではない事をちゃんと分かってる。きちんと手入れもしてくれていたようだし、颯真を責める気にはならなかった。
「でもね、颯真さんがああ言ってくれて本当に嬉しかったの。着けていいって、私に似合うって……ずっとそう言われたかったのかもしれない」
「俺は本当の事しか言っていない、だから……早く直してもらおう」
少し照れているのか、颯真は花那から視線を逸らしているようだ。そんな颯真の耳が少し赤い事に気付いて、花那は彼の事を可愛いと思ってしまう。
――このまま、この気持ちが成長したら私はどうすればいいの? ずっとこのまま記憶が戻らなければ、颯真さんはどうしていくつもりなんだろう?
胸の奥からあふれてきそうな優しく暖かな感情を、どれだけ颯真に隠していられるかと花那は悩んでいた。