エリート脳外科医は政略妻に愛の証を刻み込む
大変ではあるけれど、働けることが嬉しくて、友里は貪欲に知識を吸収していった。
山内の教えを書き留めたメモ帳はすでに二冊目である。
「これでひと通りの説明が終わったんですけど、わからないことはありますか?」と山内が聞いた。
友里は頭の中で質問を探したが、見つからずに眉尻を下げる。
「説明していただいたことは理解したつもりでいます。でも、実際にやってみた時にきっと、わからないことが出てくると思うんです」
昨日までの二日間は業務の説明を聞いただけ。
今はまだ、なにがわからないのかもわからない段階である。
おずおずと答えた友里に、山内が慌てる。
「そうですよね。私ったら、実際にやってもらわず一気に説明して、ごめんなさい!」
「い、いえ、山内さんはなにも間違えていませんよ。私の方こそ、曖昧な返事をしてすみません」
「そんな! 友里さんに謝られると困ります!」
新人の友里に、先輩の山内がペコペコと頭を下げている。
理事長の娘だからだろう。
山内だけでなく、他のスタッフからも気を使われていると友里は感じていた。
山内の教えを書き留めたメモ帳はすでに二冊目である。
「これでひと通りの説明が終わったんですけど、わからないことはありますか?」と山内が聞いた。
友里は頭の中で質問を探したが、見つからずに眉尻を下げる。
「説明していただいたことは理解したつもりでいます。でも、実際にやってみた時にきっと、わからないことが出てくると思うんです」
昨日までの二日間は業務の説明を聞いただけ。
今はまだ、なにがわからないのかもわからない段階である。
おずおずと答えた友里に、山内が慌てる。
「そうですよね。私ったら、実際にやってもらわず一気に説明して、ごめんなさい!」
「い、いえ、山内さんはなにも間違えていませんよ。私の方こそ、曖昧な返事をしてすみません」
「そんな! 友里さんに謝られると困ります!」
新人の友里に、先輩の山内がペコペコと頭を下げている。
理事長の娘だからだろう。
山内だけでなく、他のスタッフからも気を使われていると友里は感じていた。