エリート脳外科医は政略妻に愛の証を刻み込む
先に寝ていていいとも言われているのだが、ネグリジェの上にガウンを羽織った姿で雅樹の帰宅を待っていた。

(今日のお弁当の感想を、顔を見て伝えたい……)

雅樹の3LDKのマンションは、友里にしたらこぢんまりとして感じる。

リビングダイニングは二十畳ほど。

実家の百人規模でホームパーティーを開けるリビングより、このくらいの広さがちょうどいいと思うほど快適に暮らしている。

リビングを飾るスウェーデン製の家具は、友里の好みで揃えた。

雅樹は自宅より病院内で過ごす時間が多く、趣味も学生時代から続けているテニスくらいだそうで、家具を含めた私物が極端に少なかったからだ。

明るい色調の木目が美しい食器棚や四人掛けのダイニングテーブル。

三人掛けソファには刺繍入りのカバーをかけ、お揃いのクッションを置いた。

テレビボードには陶磁器の動物の置物を並べ、テーブルや壁に花を飾った。

窓辺には観葉植物の鉢植えが、趣味よく配されている。

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