エリート脳外科医は政略妻に愛の証を刻み込む
(結婚を秘密にしてほしいとお願いしたのは私だもの……)
仕方ないことだと自分に言い聞かせた友里は、持ち場に戻る。
カウンター前のクラーク用の椅子に座り、付箋を取りだした。
久保田に頼まれたことを忘れないようにメモして、PCの端に貼る。
こうすると目に入りやすく、忘れることがない。
やり終えたら付箋を剥がして捨て、あとどれくらいの仕事が残っているのかわかりやすくもある。
今日のクラークはひとりで、話し相手もなく、友里は静かにデスクワークを始めた。
後ろでは看護師たちのカンファレンスの声が聞こえる。
カンファレンスとは、看護計画などについて意見を交わす小会議だ。
そのまま数分が経過したところで、友里は誰かに肩をポンと叩かれた。
振り向く前に、耳元で囁かれる。
「弁当うまかった。ありがとう。今夜は急患が入らない限り、早く帰れそうだ」
たちまち胸を高鳴らせる友里。
パッと顔を輝かせて振り向いたが、雅樹は友里に背を向けており、スタスタと足早にナースステーションから出ていった。
(お弁当、美味しく食べてくれたんだ。嬉しい……)
仕方ないことだと自分に言い聞かせた友里は、持ち場に戻る。
カウンター前のクラーク用の椅子に座り、付箋を取りだした。
久保田に頼まれたことを忘れないようにメモして、PCの端に貼る。
こうすると目に入りやすく、忘れることがない。
やり終えたら付箋を剥がして捨て、あとどれくらいの仕事が残っているのかわかりやすくもある。
今日のクラークはひとりで、話し相手もなく、友里は静かにデスクワークを始めた。
後ろでは看護師たちのカンファレンスの声が聞こえる。
カンファレンスとは、看護計画などについて意見を交わす小会議だ。
そのまま数分が経過したところで、友里は誰かに肩をポンと叩かれた。
振り向く前に、耳元で囁かれる。
「弁当うまかった。ありがとう。今夜は急患が入らない限り、早く帰れそうだ」
たちまち胸を高鳴らせる友里。
パッと顔を輝かせて振り向いたが、雅樹は友里に背を向けており、スタスタと足早にナースステーションから出ていった。
(お弁当、美味しく食べてくれたんだ。嬉しい……)