妹を溺愛する兄が先に結婚しました
去っていくお兄さんの車を見つめながら……。


「結咲って折部のことが好きだったの?」


真琴が呟いた。


……そんなこと、俺が聞きたいくらいだ。



ふと視線を手元に持っていくと。

まだ手紙を握ったままなのに気付き、開いてみる。


近況報告の後。

【迷惑だったらごめんなさい。これで最後にします 真崎結咲】と締めくくられていた。



真崎は、どんな思いで手紙を書いていたんだろう。


返事のない手紙を何度も何度も……。


アホじゃねぇの。


俺に酷いことを言われて、なんで「ちゃんと書いた」って言い返さなかったんだ。



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