バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
相田さんは赤星くんに顔を近づけて
「凄いですね。色々と教えて下さいね。一員として一緒に頑張りましょう!」
「えぇ、お願いしますね」

その姿を見て、胸がざわついた。
業務上の会話じゃないの、何動揺してるのよ、私。

「景山くん、少し席を外すね」
席を外そうとした時、赤星くんも席を立とうとしたのを、相田さんが腕を掴んで、止めているのが横目で見えた。
「気にしない」
呼吸を整えて、会議室を出た。

会議も終わり、今回は営業部が片付けることになっていた。
「あれ?会議室に資料忘れたかな」
席に戻ってから、今日の資料が不足しているのに気がついた。

会議室に向かうと、相田さんと営業部の女性社員が話をしているのが聞こえた。
「ねぇ、赤星さんて仕事も出来て、かっこいいよね」
女性社員が赤星くんを褒めている。
「だめよ、赤星さんは私と付き合ってるんだから、手を出さないでよ。皆には内緒にしておこうって、誰にも知られないようにしてるの」
「えっ、そうなの?私赤星さんは、緑川さんに結構話しかけたりしているから、てっきり緑川さんのことが好きなのかと思ってた」
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