色づいて、濁り、落ちていく
情が色づきだす
次の日の朝、美冬が目を覚ますと氷河が見つめていた。
あれから一緒に風呂に入りたいと言われた美冬が、恥ずかしいと断り、それも氷河は納得できない様子でなんとか受け入れ、だったら一緒に寝たいと言われ、それは美冬が受け入れた。

二人は手を繋いで眠りについていて、起きた今も氷河にしっかり手が握られていた。
「おはよ、美冬」
「あ…///おはようございます///」
「可愛い…それに幸せだ。こんな近くで美冬の寝顔が見れるなんて。
今までずっと距離があったから…
それに美冬とこんなにくっついて寝ると、ぐっすり眠れる」
「氷河さんは、綺麗です…」
また恥ずかしくなり、氷河の胸に顔を埋める美冬。

「美冬、もっと顔見せてよ!
美冬といつも見つめ合ってたい」
「氷河さんは、恥ずかしくないんですか?」
「恥ずかしい?
そんなこと思ったことない」
「えー!そうなんですか!?」
バッと顔を上げる、美冬。

「どんな感情?」
氷河は至って真剣に問いかける。
「うーん。見られるの嫌じゃないんです。でも見られたくないと言うか…」
「ん?どっち?見ていいの?ダメなの?」
「うーわからないです…上手く説明できません」
「なんか“感情”って難しいね。
僕にはわからないことばかりだ」
「そうですね。そうゆうことって、自分が経験しないとわからないので…言葉で説明されてもわからないというか…」

それから二人は起きていつものように氷河の着替えを手伝い、煙草を吸うのを横で見つめる。
「あ!美冬」
「はい」
「今日は覚悟してて」
「覚悟?」
「今日はもう…我慢しないから。
…というより、我慢できないの」
「え?」

「━━━風呂とセックス」
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