平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
身を固める直前になって、別の人との恋を選んでしまう男女もいるという。

アリスティアは、リズがジェドに愛想を尽かさないか心配していた。リズはジェドを信頼しているので、彼女が口にしていたような浮気の心配はしていない。

そもそも後ろめたさがあるのは、リズの方なのだ。彼の外出の多さを責められるはずもない。

あの日、鏡の中に本物の魔女が現われれたこと。幸運の娘というキーワード。そして今回は魔法で連れ出され、二度目の接触を受けてシモンに助けられた。

結局、何も分からないまま、また一つ彼に言えないことが増えたのが心苦しい。

「あの魔女、亡霊のことも知っていたみたいだったね」

そこについても気になっていた。

「俺にも、あの村での事件をよく知っている、というように聞こえた」

「そう、よね……」

いったい、どういうことなのか。亡霊自身も予想外の〝蘇り〟は、怨みの強さからではなかったのだろうか?

分からないことばかりだ。考えようとするものの、そばにいてはいけない、という言葉が鉛のようにリズの胸を重くしていた。

「偉そうに『忠告だ』なんて言ってきたけど、気にする必要ないよ。あの婆さん、意地悪みたいだし」

リズはドキリした。相変わらず勘がいいというか、シモンは鋭いところがある。

「でも、もし団長様やみんなに何かあるとしたら」

「お姉さんは、自分より誰かが傷つくのが嫌なんだね」

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