平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
両親たちといるジェドは、普通にしている。騒ぎを知る獣騎士たち以外、二人のぎこちなさに気づいていないくらいだ。

会場入りする際には緊張したものの、社交向け用であったとしても、婚約者としての笑顔を見られてリズはホッとしてもいた。

陛下が、意味深に目配せして隣の王妃と仲睦まじげに手を取り合う。

「あとでニコラスがいらっしゃったら、知らせますわ」

「その間は静かだ。踊ってくるといい。主役は、君たちだよ」

両陛下にそう促されて、ドキリとする。

王都へ来てから、何度かジェドとは踊った。これほど大きな舞台はなくて楽しみにもしていたのに、今のリズは緊張を覚えていた。

「それではお言葉に甘えて」

ジェドが、恭しく手を動かして頭を下げる。

「父上、母上。リズが気に入ったのは分かりますが、今回は邪魔しにこないでくださいよ」

「はははっ、分かっている! うむ、私は邪魔しには行かんぞ。ところでリズさん、あとでまた私と踊ろう――てっ」

「あなた、それがいけませんのよ」

アリスティアが、はしゃぐヴィクトルの耳を引っ張って止めた。

ジェドが、リズに手を差し出す。

「行こうか。俺の未来の奥さん」

「は、はい」

最近は慣れていたというのに、躊躇いがちに彼の掌に指先を乗せた。まるでずっと触れていなかったみたいに、伝わってくる体温だけで胸が甘く高鳴った。

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