平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
踊ることがさまになっているのも、彼と過ごした日々が重なっているのだと思うと胸がぎゅっとした。こんなにも結婚したいのに、どうして魔女は彼を諦めるように言うのか。

思わず切なさに目を細めた時、ジェドがそっと眉を寄せて切り出した。

「結婚前には、不安定になると母上にお叱りを受けた。それなのに、忙しくしていると横からかっさらわれる、と」

それは、ただの冗談の一つだろう。アリスティアは婚約中とあって上機嫌で、別邸の不在時間が多い息子にいつもの嫌味を言ったのだ。

でも、ジェドはそう受け取らなかったようだ。必死さを滲ませ、不意に腕の力が強まった。

「たとえ結婚が決まったとしても、安心できない」

「あっ」

引き寄せられ、彼の胸の中に閉じ込められてしまった。

やや不自由にステップを踏みながら、近くから目を合わせて、呼吸が止まりそうになった。美しいと思って見ていたジェドの目の奥には、抑えられているだけで火傷しそうな熱が宿っていることに気づいた。

「いつだってリズに恋焦がれている。俺が不安にさせたのなら謝るし、改善する。リズの恋心が冷めてしまいそうになったら、何度だって愛を乞おう。だから、恋移りなんてしないでくれ。ずっと、俺だけを見ていて欲しい」

「団長様……」

「俺は、たとえ相手が親友だったとしても、絶対にお前を誰にも渡したくない」

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