平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
耳元で囁かれ、下ろしている髪を指先でくすぐられる。いつもの調子に戻ってきたらしい。

恥ずかし気に見つめ返すと、強気の笑みを浮かべているジェトがいた。復活の速さには呆れつつも、楽しそうな彼を怒れない。

「それは、あとで」

「そうか。困らせたばかりだから、あとを楽しみにしておこう」

流れるようにダンスへ入ろうとするのを見て、リズは慌てた。今が絶好の機会だ。悩んでいることを、彼に打ち明けよう。

「だ、団長様っ。待って。少しお話したいことが」

その時だった。つんざくような悲鳴が聞こえて、リズはビクッとした。

「なんだ?」

ジェドが足を止め、警戒した目を走らせる。

ざわめきが会場内に広がっていく。騒ぎの元に気づいたリズは、いても立ってもいられず彼の手を引っ張った。

「団長様っ、女性の声でした。行ってみましょうっ」

「ったく、こういう時は行動が早いよな……分かってる。少し浮かれていた」

遅れを取ったことを詫び、彼が先頭に立って動き出した。

ダンスも止まってしまった貴族たちの間を抜けると、倒れている令嬢の姿があった。護衛参加していたコーマックが脈を確認している。

「コーマックか。早かったな」

「倒れたのを目撃したものですから。息はあります、意識を失っているだけです」

「直前、何か見たか?」

「いえ、何も」

緊張感を漂わせながら、コーマックが首を横にる。

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