平凡な私の獣騎士団もふもふライフ４
今月の頭、ベン＝ドラッド村で白獣が亡霊となって蘇る騒ぎがあった。

その時、亡霊に騎獣していたのがシモンだった。その後、彼は獣騎士団員として迎えられ、軍部を通し正式に在籍を得た。

「だいじょーぶ！　俺、『へいか』にする挨拶もちゃんと覚えた」

シモンが、緊張ゼロのいい笑顔で答えた。

気のせいか、陛下、という言葉がややあやしい。けれど相変わらず恐れ知らずというか、いい度胸をしているというか……リズたちは少し心配になった。



◆§◆§◆



騎獣し、グレインベルトからウェルキンス王国の王都へと向かった。

国で最強部隊だと言われている獣騎士団は、騎獣によって白獣の持つ魔力を使い空を駆けることができた。

その移動速度と機動力も、国軍一だといわれている由縁の一つだ。

朝に出発し、午後には王都の上空に到着した。

眼下に広がる美しい王都の街並みを眺めながら、中心地の近くにあるグレイソン伯爵家別邸の庭へと下り立った。戦闘獣たちの着陸を誘導したのは、元獣騎士であるという老執事サムソンだ。

そしてジェドの母のアリスティア、前獣騎士団長である父のヴィクトルが外で出迎えた。屋敷の使用人たちは、相棒獣たちから安全な距離を取って歓迎した。

「父上、母上、このたびは滞在の手配を感謝いたします」

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