平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
ジェドが弾かれたように振り返り、翻った衣装の長い裾部分を手で払い、力強い眼差しを陛下へと向けた。

「陛下! お任せを。ここは俺たちで行きます。そのためにも、俺がこの服で騎獣することを特例で許可頂きたい」

「もちろんだとも」

陛下が、心強いと言わんばかりに涙ぐむ。

「グレイソン伯爵、頼んだぞ。国を、我々を救ってくれ」

「御意。獣騎士団の誇りをかけて」

胸に拳をあてジェドが力強くうなずく。

不安と戸惑いに満ちていた場が、彼のその迷いのない眼差しと返答だけで緩和していくのを感じた。彼はすぐさま別の方へ顔を向けた。

「おい! ベルベネット子爵っ、近くにいるんだろう!」

彼がそう大声を張り上げてすぐ、緊迫感のない声が返ってくる。

「はいはい、いますよ、もちろん」

ベルベネット子爵が、ひょっこりと現われれてリズたちは驚いた。

「し、子爵様も動けるのですか?」

「それはもちろん。私は、レディの前で醜態は晒さない男です」

彼が、尋ねたリズへ美しい笑みを返した。ひょいひょいと跨がれ通りすぎられている男たちが、非常に何か言いたそうな目を向けていく。

ふんっ、とジェドが鼻を鳴らした。

「好奇心が強いお前のことだ。ウチに魔女の情報を持って来た時には、なんらかの対策まで考えていたんだろう? こうしてお前が動けているのも〝使えるもの〟を用意し、持って来てのことだ」

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