平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
リズよりも年下の女の子から見ても、参っているのが分かるらしい。

夢か幻かも分からない相手だ。ジェドは動かない体に奥歯を噛み締め、くぐもった声で本音をもらした。

「俺は、リズと離れたくない」

「うん」

「何があろうと、二人で乗り越えていくと、この婚約指輪に誓ったんだ」

「うん、そうだね」

ジェドは、伸ばした手に見える婚約指輪に目を細める。

「リズは、俺たちのところから離れていこうとするだろうか」

自信がない。優しいリズは、ジェドたちの力を信じず、心配させないよう離れていくのではないか、と。

「ううん。彼女は一緒にいたいと思って、抗おうとしている」

「リズが……?」

「そして安心して。魔女は大魔法に集中していて、彼女をあなたから奪ったりできないから」

アティーシャが笑みのまま答えてくる。ジェドは不意打ちの知らせに、年甲斐にもなくニヤけそうになってしまった。

リズが、自分を望んでくれている。

胸が熱く震えた。それは嬉しすぎる朗報だった。彼のためにも、彼女が頑張ろうとしてくれているのだ。

「大丈夫。あなたたちは、とても強い信頼で繋がっているの。魔女があなただけ個別に閉じ込めちゃったみたいだけれど、私が助けてあげるわ」

そう言った彼女が、ジェドの手を掴んだ。華奢な彼女には重いだろうに、うんしょ、うんしょ、とジェドをひきずっていく。

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