平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「どうして、君が助けてくれるんだ」

ジェドは、幻だろうと思えなくて尋ねた。彼女の手は、まるで生きているみたいに暖かい。

「私、領主様も婚約者様も、大好きよ。子孫のあなたのことだって、大好き」

肩越しに、にこっと笑いかけてくる。

「それにね、リズは私と存在が近いところがあったから出てこられたの。私が最期を迎えた土地にリズが生まれたのも、意味があるのかもしれない」

「リズが、君のいた場所に……」

ジェドは考え込む。

気づいたアティーシャが、目で微笑みかけてきた。

「不安?」

「――いや、ちっとも」

ジェドが即答すると、アティーシャが小さく笑いをもらした。

「先のこと、もう考えなくていいの? ここを出たら、そんな暇もなくなるよ?」

「リズとの幸せは考える」

「ふふっ、素敵ね!」

アティーシャが、とても楽しそうに笑った。けれど、その無垢な顔を見ている時間はなくなった。

気づけば目の前に、ポッカリ穴が開いていた。

「今は、不思議なことを信じなくともいい。でも、どうか、リズは信じてあげてね」

次の瞬間、ドンッと押されるような衝撃を感じた。

ジェドは水に飛び込むような冷たさに包まれた。頭がぐわーんっと鳴り響いて、意識が遠のきそうになる。

そんなの、言われなくとも知っている。

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