平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
今、まさに食った直後である令息が、普段の優雅さなんてたもっていられない様子で口に手をあてている。

ベルベネット子爵は、「おや」と目を向けて笑った。

「情けないねぇ。たった数回噛んだだけだろうに」

「飲み込んじゃいけなかったのか? ひどい味だ」

「噛まないと意味がないんだよ。そういう物だから」

ほとんど底に尽きかけている黒い丸薬が入った瓶を揺らし、足りて良かったと彼は続ける。急きょ集めて特製の薬草だ。強烈にまずいのはあたり前。

しかし、知らぬ近くの顔見知りの男たちは、涙目で睨む。

「見ろ、令嬢たちも可哀そうに。あまりの激マズに苦しんでいるじゃないか」

「淑女に口にさせるようなものじゃないぞ。まるで、我々男性のティーサロンであるような罰ゲームの代物だ」

「うふふ。急いで作り上げた対魔女用の秘薬ですよ。この時代で復元した私の腕に感謝すべきです」

ベルベネット子爵は、達成感に輝く笑顔でこう付け足した。

「いちかばちかで成功して良かったです」

「おいいいいいっ、聞こえたぞ、ぽつりと言ったその台詞!」

「ここに集まっているのは貴族だぞ!? 我々で試すなよなぁ!」

「ははは、グレイソン伯爵が許可したことに文句をつけるのですか? 成功したので私は満足です。現代でも、作ろうと思えば作れるのだとね」

< 174 / 213 >

この作品をシェア

pagetop