平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「魔女が、何かするつもりなんだ」
「あの青い薔薇は、象徴だろ? つまり魔女の降臨の印じゃないのか?」
「なんて恐ろしい……わたくしたちはいったい、どうなってしまうのでしょう」
震え、さめざめと令嬢たちが泣き出した。まるで、この世の終わりみたいだ。
美しく澄んでいたはずの大気は、巨大な青い薔薇へと吸い込まれていくこの世のものではない薔薇の花弁に染まっている。そして外は静まり返り、王都民たちの生活音も途絶えていた。
いったい、外はどういう惨状になっているのか。みな、無事でいるのか。
陛下も、空に浮かんだ巨大な蕾を緊張気味に見つめている。ベルベネット子爵には、気やすめの言葉などかけられるはずもない。
その時だった。玉座の下の段差に座っていたニコラスが、幼獣を抱っこしたまま不意に立ち上がって明るい声を響かせた。
「父上、みんな、大丈夫だぞ! ジェドたちが、きっとなんとかしてくれる」
「みゅみゅ!」
その通り!と言わんばかりに、幼獣がうなずく。
たった一声で、場の空気が変わった。まだ十一歳の少年王子へ、誰もがうるっときた目を向ける。
「そうですね。彼らなら、やってのけます」
エドモンドは、ニコラスのそばから会場を見渡して冷静な面持ちで告げた。
「信じましょう、皆様。そして慌てず、絶望せず、その時を待つのです」
会場の人々が、うんとうなずいた。
◆§◆§◆
「あの青い薔薇は、象徴だろ? つまり魔女の降臨の印じゃないのか?」
「なんて恐ろしい……わたくしたちはいったい、どうなってしまうのでしょう」
震え、さめざめと令嬢たちが泣き出した。まるで、この世の終わりみたいだ。
美しく澄んでいたはずの大気は、巨大な青い薔薇へと吸い込まれていくこの世のものではない薔薇の花弁に染まっている。そして外は静まり返り、王都民たちの生活音も途絶えていた。
いったい、外はどういう惨状になっているのか。みな、無事でいるのか。
陛下も、空に浮かんだ巨大な蕾を緊張気味に見つめている。ベルベネット子爵には、気やすめの言葉などかけられるはずもない。
その時だった。玉座の下の段差に座っていたニコラスが、幼獣を抱っこしたまま不意に立ち上がって明るい声を響かせた。
「父上、みんな、大丈夫だぞ! ジェドたちが、きっとなんとかしてくれる」
「みゅみゅ!」
その通り!と言わんばかりに、幼獣がうなずく。
たった一声で、場の空気が変わった。まだ十一歳の少年王子へ、誰もがうるっときた目を向ける。
「そうですね。彼らなら、やってのけます」
エドモンドは、ニコラスのそばから会場を見渡して冷静な面持ちで告げた。
「信じましょう、皆様。そして慌てず、絶望せず、その時を待つのです」
会場の人々が、うんとうなずいた。
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