平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
リズは小さく泣きながら訴えた。

「――分かった。時間は少ないが、話を聞こう」

ジェドが、抱き締める腕に力を込めて、そう言った。

カルロが魔女を抑える中、リズはジェドに手を借りて展望台へと降りた。コーマックたちも続き、トナーたちが警戒態勢で騎獣したまま外からうかがう。

「魔女さん。あなたは私と会った時に『この機会を逃せない』『助けてあげる』と私に言いました。覚えていますか?」

リズが歩み寄ると、魔女がピンクの目で見据えた。

「ああ、覚えているよ。その後、そこの〝獣の魂を持った少年〟に邪魔されたんだ。本気で一瞬、あのまま攫っちまおうかと思っていた」

「それだと、王都に何もできなくなりますよ」

途端、魔女が黙り込んだ。

ジェドたちが顔を見合わせる。再び注目されると、魔女は顔を横にそらして小さく舌打ちした。

「いっちょ前に誘導尋問かい」

「すみません、そんなつもりはなかったのですが……」

「分かってるよ。あたしが、勝手に口を滑らせただけだ」

投げやりに魔女が鼻を鳴らす。それは、もうそこに戦意が残っていないことを証明してもいた。

リズは少し汚れてしまったドレスの裾を、手で丸めてそばに膝をつく。

「私に『結婚しない方がいい』と言ったのも、そばから離れるようにと忠告したのも、娘さんを助けられなかったことがずっと残っていて、私と重ねて、助けようとしたからでしょう?」
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