平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「カッとなってしまったが、リズのおかげで考えることができた。お前に伝えておくべきことがある」

「いったいなんだい、領主様。改まって気持ち悪いね」

「あの空間の中で、アティーシャと名乗る少女を見た」

ジェドが冷静に告げ、魔女が勢いよく上体を起こした。

リズも、予想もしていなかったことで目を丸くした。だから獣騎士たちに魔法空間でのことを尋ねられた時、彼は少し考え込んでいたのか。

「だ、団長様、本当に?」

「ああ。動けない俺を彼女が引きずってくれたおかげで、リズと会えた。助けてやると言われたから、たぶん、連れて行ってくれたんだろうな」

ジェドが、首の後ろを撫でつつ答えた。

座り込んだまま深く息を吸い込んだ魔女が、やはり家ンが絵ても信じられない様子で首を弱々しく横に振る。

「そんな、まさか。だって、あの空間はあたしの魔法で」

「俺は魔法については知らない。作ったお前の記憶が、幻となって現われただけかもしれない。だが……」

うろたえた魔女を前に、ジェドが完全に敵意を解いた目をぐっと細めた。

「とても幸せそうに笑っていたぞ。無垢に、あれやこれやと喋ってもきた。『みんな大好き』、だそうだ」

それは、アティーシャから聞いた言葉だったのだろう。

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