平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「お肉の? 匂いがするというと……屋台?」
「そ、絶対に屋台。このちょっと炭が混じった感じのジューシーな匂い、うまい焼き肉の串売りに間違いない」
自信たっぷりに言い切ったシモンを前に、獣的な……という感想がまた頭に浮かんでしまった。
しかし、ふと、本物の獣であるカルロの方が気になった。
目を向けてみると、シモンを後押しするようにカルロがうなずいてくる。しかも気のせいでなければ、尻尾の先がゆっくりと振れる。
「カルロも食べられるものかしら?」
きっと期待で尻尾を振っているのだろう。
元教育係としては、そう感じたらとても可愛くてきゅんっとしてしまった。素早く考えるが、場合によっては味付けを店主に相談する方が早いだろう。
「団長様! 私、お給料で買ってきま――うわっぷ」
走り出そうとした瞬間、手で引き留められ、ジェドの胸に閉じ込められてリズの心臓がばっくんとはねた。
「ったく、相変わらず行動力があるな。いきなり飛び出そうとするな」
ふぅ、とジェドがリズの背をひと撫でして息をつく。
「だ、団長様っ」
「そんなこと、しなくていいんだ。こういう時は、俺を頼っていいんだよリズ。これから結婚するんだから」
「そ、そうですけど。でも、あの、ご迷惑をかけるわけには」
「リズ、その全てを俺はもらうと言っただろう?」
「そ、絶対に屋台。このちょっと炭が混じった感じのジューシーな匂い、うまい焼き肉の串売りに間違いない」
自信たっぷりに言い切ったシモンを前に、獣的な……という感想がまた頭に浮かんでしまった。
しかし、ふと、本物の獣であるカルロの方が気になった。
目を向けてみると、シモンを後押しするようにカルロがうなずいてくる。しかも気のせいでなければ、尻尾の先がゆっくりと振れる。
「カルロも食べられるものかしら?」
きっと期待で尻尾を振っているのだろう。
元教育係としては、そう感じたらとても可愛くてきゅんっとしてしまった。素早く考えるが、場合によっては味付けを店主に相談する方が早いだろう。
「団長様! 私、お給料で買ってきま――うわっぷ」
走り出そうとした瞬間、手で引き留められ、ジェドの胸に閉じ込められてリズの心臓がばっくんとはねた。
「ったく、相変わらず行動力があるな。いきなり飛び出そうとするな」
ふぅ、とジェドがリズの背をひと撫でして息をつく。
「だ、団長様っ」
「そんなこと、しなくていいんだ。こういう時は、俺を頼っていいんだよリズ。これから結婚するんだから」
「そ、そうですけど。でも、あの、ご迷惑をかけるわけには」
「リズ、その全てを俺はもらうと言っただろう?」