平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「父上は信心深いのだ。胸騒ぎがする、とおっしゃっていた」

ニコラスは、辛辣な物言いにも真っすぐ言い返した。ジェドが秀麗な眉を寄せて、考え込む。

「陛下の憂い、か……」

鋭い目を床に向け、彼がつぶやく。

それを払うのも、獣騎士団の役目の一つであるらしい。以前、ニコラスの相談で王都に来た時も、陛下たちが気にしていた城内の不正を暴いたのは記憶に新しい。

やがてジェドが、「分かった」と言って肩の力を抜いた。

「不定期に魔女だの占いだの騒がれるだろう、気にしすぎだと思うが念頭には置いておく。――ところで」

「え?」

素早くその話題を終わらせたジェドが、リズの手を取る。

「な、なんですか?」

リズは、改めて向かい合わせられ胸が高鳴った。こちらを見据えるジェドの目は真剣で、愛を囁く時以上に、熱い。

「今は獣騎士ではなく、一人の婚約者だ。ここに来るまでずっと我慢していた、そろそろいちゃいちゃしても?」

は、とリズは目が点になった。

何を言うかと思えば、『いちゃいちゃしたい』とストレートに乞われた。そういえば朝に『しばらく近づかないでください!』と言ってから、愛を囁く時間だって与えていない。

仕立て屋に行った時にはエスコートもさせたし、肩も抱かせていたからだろう。ジェドは期待を宿した目で返事を待っている。

その時、ニコラスが幼獣をぎゅっとして、満面の笑みで騒いだ。

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