平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
リズを立たせ、持っていた荷物を取りながらコーマックが美麗に微笑んだ。

その台詞もさまになっていて、リズはじーんとした。さすが獣騎士団で『理想の上司ナンバー2』と呼ばれている人だ。

「副団長様、荷物もありがとうございます」

「いえいえ、荷物持ちが役目ですからね。次はナイトウェア関係でしたか」

「あっ、それなら、こちらで済ませましたから」

リズは詳細を尋ねられるのを回避するべく、すぐにシモンへと顔を向けた。

「シモン君もありがとう。通る人に見られて、恥ずかしかったでしょう?」

「全然? 男が女の店の前で待つくらい、普通でしょ」

シモンが首を傾げ、特徴的な灰色の髪がさらりと揺れる。それはそれで、かっこいいことだなとリズは感心してしまった。

気晴らしが目的だったので、王都を知るコーマックが買い物がてら近くの店や景観などをリズに案内した。

雑貨店も物珍しくて、眺めているだけでも楽しい。

とはいえ、やっぱり祭りの真っ最中のように、どこもかしこも人でいっぱいだ。

「三店回るだけで、くたくたになるわね……」

さすがのリズも、人の波に疲れてしまった。屋敷に戻るべく歩き出した時、目の前のずらーっとした人混みの光景に足が重くなった。

屋台の焼きパンを食べ終えたシモンが、片手に持った荷物を持ち直しつつうなずく。

「相棒獣でもいたら、歩きやすかっただろうけど」

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