平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「え? 何かおっしゃいましたか?」

「いいえっ、なんでもっ」

ぽつりとつぶやいてしまったリズは、慌てて否定した。コーマックの〝説教〟を守ってか、少しキスの時間が減ったのも残念に思っていた。

そうしている間にもドレスを着せられ、最後に式場に入る際のウエディングヴェールも頭から被った。顔は、本番よりも薄い化粧仕上げだ。

「綺麗……」

鏡の前に向き合わされて、思わずほうっと息がもれる。普段は下ろされている髪も、一部結い上げられて顔がよく見えた。

自分でも子供っぽいと思っていた大きな目も、今や化粧と衣装の効果なのか、なんだか大人びて見えて見入ってしまう。

「美しいですわ、新婦様」

「そう、ですか?」

「はい、とても。ドレスも素敵な仕上がりで、ようございましたね。旦那様が、最後まで粘りに粘って考えておられた成果ですわ」

「その胸元のドレスの飾りは、永遠を近い合う伝統的な装飾なのですわよ」

女性たちが、嬉しそうに教えてくる。リズはイヤリングとネックレスの宝石が、ジェドと同じ瞳の色をしていることにもドキドキした。

社交界では、互いの色を衣装や装飾品に選んで身に着ける習慣があるそうだ。これには、あなたの色に染まりたい、という意味があるのだとか。

リズの希望で、スカート部分の一番上の生地は、上品な薄紫から純白へと染まるグラデーションになっていた。

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