平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
ジェドが好きだった。婚約してから今でさえ、一層彼に惹かれ続けている。

彼の愛に応えたくて、リズもつたないながらに『好きよ』と伝えた。彼と結婚して、妻としてその隣にいたかった。

相応しくないからと反対されたら、身が裂かれるほど苦しい。

傷ついた表情で見つめ返したら、不意に魔女が憤った。

「あんたが相応しくないだって? そんなこと、あるもんか」

「え……? でも、結婚するなって」

「相応しくないのは〝彼の方〟さ。所詮、たかが人間。ただの領主だ」

魔女が、こけおろす口調で嘲笑した。

ジェドは、白獣が唯一認めた人間の領主だ。その現在まで続く貢献から、国内外に特別な貴族としても知らている。

「相応しくないのが彼の方だなんて、おかしいわ」

「いーや、おかしくないよ」

「でも、私は彼に比べたら全然――」

「あんたが〝幸運の娘〟だからさ」

真っすぐ指を差され、心臓がはねた。

それは、白獣の女王がリズを呼んだ言葉だった。

「薄々、何かあるとは思い始めていたんじゃないのかい? あんたはただ平凡なだけじゃなく、何か特別なことがあるんじゃないか、ってね」

リズはすぐに否定もできず、ドクドクする胸に手をあてた。

亡霊として蘇った古き白獣と一緒に空を落ちた時、少なからず疑問を抱いた。

『同じく、幸運の娘、リズ』

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