平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
何かしら、また会わなければならない人でもいるのだろう。彼は社交の予定もよく入ってきて、二人揃って腰を落ち着けるのも最近は少ない。

「結婚式が終われば、ゆっくりだ。それまでは少しバタつくかもしれないが、一緒に乗り越えていこう」

リズのぎこちなさを寂しいと取ったのか、ジェドが指先で前髪をよけて額にキスをしてきた。

寂しいのは確かだが、貴族の結婚だ。その忙しさは予想していたことなので、『そばにいて』なんて我儘は言わないつもりだ。

問題は、進んでいく結婚準備で現われた〝魔女〟である。

けれど相談できるはずもなく、労うように手を置いて、彼の腕の中から離れる。

「はい、私も団長様を支えられるように頑張ります」

「移動でカルロを連れていくが、何かあればシモンに声をかけるといい。いつでも動けるよう待機してくれるそうだ」

「シモン君が?」

「もしもの時はと、付き添いの護衛役をコーマックたちに頼んだんだが、あいつがそばから煩く自己推薦してきた」

それをジェドは受け入れたらしい。

王都では、護衛も連れず令嬢が出歩くことはない。リズは庶民だけれど、今や国土第二位の面積を誇るグレインベルトの領主の婚約者だ。

それを考慮してのものだろうと思ったので、 ひとまずはうなずいておいた。



ジェドが軍服でカルロと出たのち、リズは一階の奥のサロンを目指した。

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