平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
不意に、その目に刺すような鋭さが宿る。

「あんたは、世界中を探しても、ほんの数人しかいない特別な女の子なんだ。この時代、この国には、お前一人しかいない」

「いったい、何が……」

うろたえたリズの手を、魔女が掴んだ。

咄嗟に引こうとしたら、強い力で留められて顔を覗き込まれる。同じくらいの身長だと思っていた魔女は、リズより随分背が高かった。

「よくお聞き。きっと、誰も守ってくれない。お前が『幸運の娘』であると知られたら、拒絶され、別の誰かには勝手に必要とされる。放り捨てられた先で、奪い合われる未来だってあるのかもしれないんだよ」

よく分からないけれど、その気迫と言葉の重さにゾッとする。

誰にも知られてはいけないと言っていたように感じたのは、正しかったようだ。しかし、理由が分からない。

「秘密って、私が『幸運の娘』であること自体も……?」

「そうだよ。だから、あたしが逃がしてあげる。結婚なんてさせない、もうこの機会以外ないと思ったんだ」

いったい、魔女は何を言っているのか?

切羽詰まったような余裕のなさに、怖くなる。ぐっと魔女の手に力が込められ、恐怖に萎縮して声も出なくなった。

「お姉さん、どいてー!」

その時、どこからか声が聞こえてきた。

体の芯から力が込み上げて、リズは咄嗟に魔女を両手で思い切り突っぱねた。

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