冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~


◇◇◇

車を発進させ少し走ったところで、匠馬は「くそっ」とハンドルを殴った。

(澪が妊娠!? しかもあの男の子どもだと!? 澪といつそんな関係になった? いったいあの男は誰だ)

匠馬はこれまで感じたことのない嫉妬と憎悪の感情にまみれ、考えれば考えるほど、狂いそうになっていた。

(澪はあの男と一緒になるために、こっちへ帰ってきたのだろうか。だがあのネックレスをつけてくれていた。いったいどういうことだ)

匠馬は何が真実かわからなくなっていた。ただただ、大きなお腹をした澪が頭から離れない。

あの時の子供だったりしないだろうか。そうなら、今すぐにでも結婚を申し込み、澪を連れ去りたいが、澪が否定する限り難しい。それに離れてしまった今、口説こうにも口説けない。

匠馬はどうにもらない苛立ちを募らせながら、悶々とした気持ちで車を走らせた。



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