冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~
「社長がいきなり……」
戸惑いながら、ぶんぶんとかぶりを振る。
「不謹慎だと思われそうだが、お前が雨の中で泣いている姿を見た時、綺麗だと思った。自分の腕の中で、咲かせてみたいとも」
「何を言って……」
「わかってるさ、自分でも何を言ってるんだってな。でも本能がそう言ってる」
目を瞬かせているうちに再び唇を奪われる。いつのまにか腰を掴まれていて、逃げるに逃げられない。
「ふっ……ぅ、んっ」
「唇が冷たいな」
角度を変え次第に深くなっていくキスに澪は眩暈がした。足はがくがくとして立っているのがやっと。
「しゃ、しゃちょ……っ」
急にどうしたというのだ。しかもさっきから「あんなやつ忘れろ」と連呼している。まるで嫉妬しているようなキスに、澪はくらくらしていた。
「はぁ、あ、あの……待って、きゃっ……」
「俺ならあの男を忘れさせてやれる」
ふっと口元を歪ませると、匠馬は澪の膝裏をすくいあげ横に抱き上げた。
「あ、あの……頭が追い付きません」
「じゃあ頑張って追い付け」
欲情を溶かしたような瞳に囚われ、まるで催眠でもかけられたかのように固まってしまう。今からしようとしていることはつまり、体で……ということだろうか。