冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
せっかく得た仕事なのに。

カップをテーブルに戻そうとすると、見覚えのある男性がこのビルに入ってくる様子が見えた。

誰だっけ。クライアント?

違う。先日園田部長に暴言を吐かれたときに慰めてくれた人だ。

このビルにある会社に勤めているのかもしれない。

『元気を出してください』と言われたのに、あのときよりずっと気分が落ちている。


尾崎さんを助けるんだという強い想いで園田部長を呼び出したがあっさり逆襲されて、窮地に立たされている自分が情けない。

けれど、雇われの身でなんの権力も持たない私には武器がなく、どうしたらいいのかさっぱりわからないのだ。


負けたくないけど、無理なのかな……。

そんな弱気が顔を出し、眉をひそめた。


再びカフェオレを口にしていると、先ほどの男性が店に入ってきたのでなんとなく背筋が伸びる。

彼はカウンターで注文を済ませて、私の席のほうに歩いてきた。

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