冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
本棚の奥から厚いファイルを取り出してめくり始める。

このファイルには、親父が亡くなった当時の新聞記事のコピーや資料が集めてあるのだ。


「親父……。もう少しだ。もう少し待ってくれ。必ず俺が……」


パタンとファイルを閉じると、スマホが鳴りだした。

画面に表示された名前を見てすぐにボタンを押す。


「もしもし、八木沢です」

『西岩建設の馬場(ばば)です。資料を見つけました。お渡ししたいのですが、出てこられますか?』

「今すぐ行きます」


待ち合わせ場所を指定された俺は、七緒と櫂の寝顔を確認してからマンションを飛び出した。
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