冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
しばらく櫂をあやしていると、ようやく寝てくれた。

寝室をそっと覗くと、疲れきった七緒もぐっすり眠っている。

ベビーベッドに櫂を寝かせて、俺は書斎に向かった。


櫂が生まれたあとも、俺は精力的に働いている。

西岩建設の訴訟は世間からも注目を浴びていて、第二回の口頭弁論が終わったあと、事務所にすさまじい数の批判の電話が入った。

被告代理人である俺は、西岩建設側の主張の証拠を提出。

そしてそれについて口頭で説明をしたが、就業時間の大幅な超過がクローズアップされて、マスコミからも袋叩きだ。

それを弁護する俺に怒りの矛先が向けられるのは想定内だった。

とはいえ、電話対応するパラリーガルや事務員には申し訳なく思っている。

ただ九条が、『弁護士が通る道だ。事務所の皆はわかっている』と言うので少し肩の荷が下りた。


「これからが勝負だな」
< 298 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop