【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
そう言われて有り難くチケットをいただくことにした。
「そうと決まれば、今日は上がりなさい! 十八時公演なら間に合うんじゃない?」
「えぇ!?」
私は店長に「楽しんできてねー」と言われて花屋の裏へ連れて行かれた。
花屋の上にある二つの部屋のひとつに行く。この部屋は、住む場所がなかった私を店長のご好意で住まわせてもらっている部屋だ。
部屋に入り、エプロンを外して外出出来る服に着替える。
くすみピンクのトップスにベージュのサスペンダー付きワイドパンツ、パステルピンクのヒールのあるサンダルを履くと部屋を出た。