溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
五、六人の小規模スペースのバンケットルームを四人で貸し切った。
ゆったりと寛ぎながら飲食が出来るレザーソファとローテーブル。
夜景を眺めながら楽しみめるカウンターテーブルの二種類の飲食スペースがあった。

最初はソファに腰を下ろして、スパークリングワインで乾杯した。

「こうして京弥先輩に会うのはあれこれ十年振りですね」

「そうだな…」

ローテーブルにはムール貝と白身魚のアクアパッツア、鯛とカブのカルパッチョ、スモークサーモンとクリームチーズのカルティーヌが並ぶ。

「後、ピザとパスタが来るよな…」
「うん」

私は目の前に座る加那斗さんをまともに見られず俯き加減でワインを飲んだ。

「笹倉さん、君の為に設けたお見合いだからね…ちゃんと二人で話しなよ」

「えっ!?」

これは見合いなの?

私は京弥院長の言葉に頓狂な声を出した。

「待って下さい…院長…私、一言も見合いだとか訊いてませんよ…」

「由夢、言わなかったの??」

「京弥さんこそ…言わなかったの?」

二人は互いに訊き合った。
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