陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく
どっちが先に言ってしまうのかってところではあるけれど、でもやっぱりそういう確かな言葉が欲しいから……。
だから、あたしの気持ちはまだ言わない。
「意味、分かってる?」
聞かれて、「へ?」と声を上げる。
多分、分かってないと思う。
あたしの反応を見て陽呂くんにもそれは分かったんだろう。
軽くため息をついてから、彼は妖しく微笑んだ。
「美夜、覚悟しておいて」
「え?」
なにを……?
「美夜の十六歳の誕生日――」
誕生日……あと、ひと月くらい?
「美夜のぜんぶ、俺がもらうから」
「……あたしの、ぜんぶ?」
妖しく美しい獣のような目になった陽呂くんに見惚れて、あたしはただ繰り返すことしか出来ない。
「そ、ぜんぶ」
そう言って、陽呂くんの指があたしの胸の中心をトントンと軽く叩く。
「美夜の心も体も、ぜんぶもらうから」
陽呂くんの言葉の意味をちゃんと理解したあたしは、ただただ目を見開いた。
体も、って……。
「分かった? だから、覚悟しといてな?」
そう重ねて告げた陽呂くんは、もう一度あたしの唇に触れた。
それはまるで宣誓の儀式のような……大切な約束の誓いのような……。
そんな、優しい、触れるだけのキスだった。
だから、あたしの気持ちはまだ言わない。
「意味、分かってる?」
聞かれて、「へ?」と声を上げる。
多分、分かってないと思う。
あたしの反応を見て陽呂くんにもそれは分かったんだろう。
軽くため息をついてから、彼は妖しく微笑んだ。
「美夜、覚悟しておいて」
「え?」
なにを……?
「美夜の十六歳の誕生日――」
誕生日……あと、ひと月くらい?
「美夜のぜんぶ、俺がもらうから」
「……あたしの、ぜんぶ?」
妖しく美しい獣のような目になった陽呂くんに見惚れて、あたしはただ繰り返すことしか出来ない。
「そ、ぜんぶ」
そう言って、陽呂くんの指があたしの胸の中心をトントンと軽く叩く。
「美夜の心も体も、ぜんぶもらうから」
陽呂くんの言葉の意味をちゃんと理解したあたしは、ただただ目を見開いた。
体も、って……。
「分かった? だから、覚悟しといてな?」
そう重ねて告げた陽呂くんは、もう一度あたしの唇に触れた。
それはまるで宣誓の儀式のような……大切な約束の誓いのような……。
そんな、優しい、触れるだけのキスだった。