GET BACK TOGETHER
「俺、お前に教えたことないけど」

というか誰にも話したことはない。
絵麻にすら。

「……」

雪那は未だ無表情のまま何も答えない。
でも俺を見ている。

「何で」

俺は苛々し始めて雪那の腕を掴むと揺らし、雪那の目を強く見据え答えを催促する。

「何でそんなにムキになってるの」

やっと喋ったが、雪那に何故か睨まれる俺。

「忘れたなら、知る必要無いでしょ?」

忘れたよ。

でもそれとこれとは関係ないだろ。

「携帯のパスワード知ってるなんて言われたら気になるだろ。個人情報が詰まってるんだから」

「でもまだパスワード変えてないよね」

「本当に忘れてただけ。何なら今から変えてやる」

俺は雪那から手を離すと机に向き直して携帯を取って呼び起こし、パスワードを変える設定画面へと向かおうとした。


「六年前に酔ってた光輝が言ってたから」

「え?」

俺が言った?

「俺は彼女の誕生日をパスワードにしてるほど大好きだって」

俺はなんてハズすぎることを。

頭を抱えたくなったが、俺は携帯を机に戻すと雪那に向き直した。
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