GET BACK TOGETHER
「そのマグカップ……」

絵麻が突然溢した。

「え?」

マグカップって……もしかして、絵麻がくれたあのマグカップのこと?

俺は取ろうとしたカップから手を離して、食器棚の端に大切に置いていたマグカップを掴む。

「うん、絵麻が俺が京都に行く時にくれたマグカップ。俺の宝物」

絵麻にその貰ったマグカップを見せる。

「でも少し欠けちゃってからは、これ以上壊れてほしくなくて飾り物になっちゃってるんだ」


絵麻は何も言わなかった。
でも目が合った。
いつもは目すらまともに見てくれなかったのに。
それに絵麻の瞳に僅かに涙が浮かんでいる気がした。


「それよりも絵麻、おはよう。今日も好きだよ」

俺は日課のキスを頬にして気持ちを伝えた。




その日の夜、雪那から電話が来た。


『光輝、仕事復帰出来そう?』

「まだ」

今が一番大事な時期だと思う。
焦っちゃいけない。
< 433 / 481 >

この作品をシェア

pagetop