きみは溶けて、ここにいて【完】






保志 文子様  


 まずは、突然の頼みを引き受けてくれてありがとうございます。陽が、無理を言ったと思うから、申し訳ないなとも思ってます。

きっと、混乱させているだろうから、保志 文子さんが信じたくなかったら、信じなくてもいいです。ただ、僕は本当に陽ではなくて、だから、やっぱり、ちょっとだけ、僕のことを信じてほしいなとも思います。

ごめん。矛盾したのに、ボールペンだから消せません。次から、気をつけます。僕は、本当に、こういうところが駄目です。

僕は、陽とは違って、何にも取り柄がなくて、面白いことも言えないし、笑うことも苦手です。だから、保志 文子さんには、大変迷惑をかけると思うけれど、それでも、あなたが僕と仲良くなることを了承してくれたこと、嬉しかったです。

明日、違う、今日か、陽が眠たそうだったら、それは、僕のせいです。時間をかけてこの手紙を書いているから。今は、深夜二時です。きっと、僕は三時くらいまで眠れないから、陽の寝不足は確実です。

ごめんなさい。また、余計なことを書いているかもしれない。本当に、僕は駄目なんだ。

それで、これからのことなんですが、僕は、話すのが本当に得意じゃなくて、きっと保志 文子さんをがっかりさせてしまうと思うので、しばらくは手紙でやりとりをしてくれませんか? 

もし、嫌だったら、ごめん。この手紙も、全然、面白くないと思う。

ごめん。だけど、よかったら、返事をくれると嬉しいです。手紙は、陽に下駄箱にいれてもらうように頼むつもりです。もしも、嫌な気持ちになったらごめん。


森田 影






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