きみは溶けて、ここにいて【完】
質問の答えを書き終わった後、じっと便箋のあいたスペースを見つめる。
私は、どうすればいいんだろう。
影君、私はどうすればいいかな。
優しくて、薄暗いからこそ、色々なことに敏感な人。そういうふうに、今の私は、影君のことを感じていて、だから、影君ならば、いいアドバイスをくれるかもしれないと思った。
便箋の上にボールペンを立て、“個人的な相談なのですが、”と前置きを書く。
こんなこと、他人に話してしまうのはいけないことだと思い、せめて、名前は伏せておくことにした。昼間の出来事を、詳細を濁しながら書いていく。
「……私は、どう、すれば、いい、と思います、か」
小さく声に出してしまって、慌てて、唇を結んだ。
こんなどうしようもないことを相談できてしまう時点で、本当はもう久美ちゃんよりも影君のことを信頼してしまっているのかもしれない。
手紙を書きながら、そんなちょっぴり恐ろしい事実を、半分だけ認めていた。
自分は駄目だと思っていて、ちょっと内気。
そういうところが自分と似ているから、不思議な親近感をもってしまっている。
近づいたら、刺さるのに。
人間の棘は、ハリネズミの何倍も痛いのに。