相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
後から搬送されて来た高屋副社長のオペもすぐさま開始された。

事故により外傷性脳出血の為、院長が執刀し、開頭手術が行われた。

二人共命は助かったものの、依然予断の許されない状態だった。


俺は毎日、梓さんの元を訪れた。

二人の間に産まれた男児は高屋社長の命名で雅(マサシ)君と名付けられた。


事故から四日目・・・
俺と遥は久しぶりに一緒に朝食を食べる。
「・・・奏弥さん…ちゃんと食べないと…」
遥が食の進まない俺を叱った。
二人の容体が気になり、食欲が湧かなかった。

「ゴメン…」

「高屋夫妻の容体が気になるの分かりますが…ちゃんと食べないと…」

「分かってる…」

「…奏弥さんは診るのは高屋夫妻だけではありませんよ…」

「そうだよ…」


俺の扱うお産はリスクの高いお産ばかり。
母子共に命を危険に晒される危険性がある。

遥との来るべき時の為の通り道。

でも・・・その来るべき時が来る確証は全くなかった。

ママと赤ちゃんの未来の為に母子と共に無事で居ることが大切、俺のような思いを赤ちゃんに抱かせたくない。




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