相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
それから三日が過ぎた。
ハイリスク妊娠外来を終え、診察室で電子カルテの入力をしていた。
ハイリスク妊娠専門の産科医となり、俺の負担は増した。
色んな妊婦さんの診察に当たり、今の世の中の様々な背景が見える。

女性の積極的な社会進出により、晩婚化が進み、初産を迎える妊婦の年齢も上がっていた。
三十五歳以上で妊娠ともなれば、その人達もハイリスク妊娠に該当して来る。

それに体外受精での妊娠も増えていた。

母子の命を預かる産科医の役目は重い。リスクも高い。

産科医が敬遠されがちなのは良く分かる。実際、産科医になりたりと思うフェロ―は少ない。

俺の後継となる、人材の育成にも頭を悩ませていた。

首許に提げた院内用のPHSが鳴り響く。

「もしもし・・・槇村です」

――――槇村先生…高屋梓さんの意識が回復しました・・・

ICUの看護師からの連絡だった。

梓さんの意識が回復した。

「分かりました…直ぐに行きます!」





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