相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
「高屋梓さん……俺です…槇村です。俺が見えますか?」

梓さんは俺の顔を見て、瞳から涙を流した。

「ちゃんと見えてますね…貴方の訊きたいコトは分かります。赤ちゃんは無事に俺が帝王切開で取り上げました。安心して下さい…」

俺も彼女の涙を見て、もらい泣きしそうになった。
でも、彼女の目の前で涙を見せてはいけない。
医者として彼女と話をしないと。

瞼の奥に自身の涙が押しとどめ、彼女の訊きたいコトを全部話した。

「カラダの何処が痛むか?教えてください。高屋さん」

「全部」

「分かりました…伊藤さん、鎮静剤を追加して」

看護師の伊藤さんにお願いした。

「分かりました…槇村先生」



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