相思相愛マリアージュ(前)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
奏弥さんは通話を切って、嘆息した。
「・・・ご主人は助かったんだけど…奥さんと赤ちゃんは…」
奏弥さんは言葉を詰まらせた。
「知ってる…救える命と救えない命があるのは医療現場では当たり前のコトよ。奏弥さん」
「そうだな…分かってるけど…それでも救いたいと思うんだ。俺は不可能を可能にする男のはずなのに…救えなかった」
「・・・奏弥さんは自分の力を過信し過ぎ…」
彼にだって救えない命がある。
「遥の言う通りかもしれないな…俺、シャワー浴びて頭を冷やして来るよ…」
「そうした方がいいわ」
彼は医局を出て行った。
自分の力の限界を知らないと彼は次のステージには上がれない。そう思って、私は冷たい言葉を浴びせた。