敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
「仁くんに悪いところなんてひとつもなかったよ」

誰がどう考えたって百パーセント私が悪い。

「だが俺が性急に結婚を進めたせいで、美玖は心が追いついていなかったんだろ? そこにあんな嘘を吹き込まれたら信じてもしかたがない」

「でも……」

「幼なじみだからと言って、なにもかも知っていたわけじゃないんだ。本来なら恋人として関係を育んでから結婚すべきなのに、俺に余裕がなかった」

仁くんは自分の責任だと退かなかった。

「じゃあ……ものすごく厚かましいんだけど、お互いさまってことでもいい?」

私はそう仁くんに折衷案を出した。

せめて半分は私に負わせてほしい。

固唾を呑んで反応を待つ私に、仁くんは頬を緩める。

「ああ、そうだな」

落としどころが無事に決まり、私は胸を撫で下ろした。

これで本当に仁くんと仲直りできた気がする。

「それで、美玖の答えは?」

仁くんは最初の質問の返事を促した。

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